花落としのいつか Hana Otoshi no Itsuka 1
꽃이 질, 언젠가 「花人（はなびと）」――。まれに存在する、身体に花を咲かせる体質の人間。「花落とし」――。体に花を咲かせた人間が、花を舞い落としながら歩く様子から生まれた、いにしえより伝わる言葉。花人はごくふつうの人間たちと交じり合い、ごくふつうの日常を送っている。中学二年生の知香には、麻佑子という花人の親友がいる。おとなしくて気が弱い麻佑子を、知香はいつも放っておけなくて……。 個人サイトにある読み切り漫画「花落としのいつか」の世界観を持ち、新しいストーリーを描かれるとのこと。過去に読みきりとして描かれた方の「花落とし」は多感な少女の感情の吐露として「花を咲かせてしまう、花人」という現象が描かれていて、その「花人」にまつわるエピソードを絡めながら、少女が成長していく様子が描かれた、これまたとてもよい作品です。若干１名の青年がさわやかにクズで、読後は妙に清涼感が残ります。なぜか。（空は赤く落ちるのサイト内、「他作品置き場」で読むことができます。直リンクはしないので、辿ってみてください。） 今回の連載ではどのような展開になるかはわかりませんが、初話から、既にすっと世界に溶け込める繊細なストーリー展開を発揮されています。今後が楽しみです。 あと、「空は赤く落ちる」も名作です。多感な年ごろの青少年たちが抱える体験・葛藤・悩みなどを「戦争が起こっている世界で、少年兵として軍隊に所属している」という舞台の中で丁寧に描かれています。若干１名ほど青少年にカテゴライズされない人が（現時点では）無双しかけていますが、丁寧に描かれた人物像が魅惑的なのもこの作品の特徴です。こちらも、おすすめ。